ウイングトラベル
18年度上半期の主要49社、総取扱額0.4%増
9月は台風と地震で国内8.6%減、合計3.2%減
観光庁がまとめた主要旅行業者49社の9月の取扱状況速報によると、台風21号や北海道胆振東部地震の影響で国内旅行が前年同月比8.6%減の2294億4900万円とマイナス幅が膨らんだ影響で、9月の総取扱額は3.2%減の4384億1100万円と、今年度初めて総取扱額がマイナスに転じた。この結果、編集部の集計によると、2018年4〜9月の上半期合計では、国内旅行は前年同期比4.2%減の9928億1955万円とマイナスで折り返した。一方、上半期の海外旅行は5.2%増の7757億4363万円、訪日旅行は20.7%増の726億8500万円と好調を維持し、上半期の総取扱額は0.4%増の1兆8412億4853万円と、ほぼ前年並みを維持した。
国内旅行は4月以降、弱含みながらもほぼ前年並みで推移していたが、西日本豪雨のあった7月からマイナスに転じ、7月は4.8%減、8月は2.8%減とやや盛り返したものの、9月は台風21号や北海道胆振東部地震の影響で8.6%減までマイナス幅が拡大した。とくに9月は、被災地を中心とした北海道、西日本方面が低調だった。
企業別にみても、9月に国内旅行でプラスを維持できたのは、49社中国内旅行の取扱いがある47社のうち、9社にとどまった。国内旅行の取扱いが多い大手のうち、JTBグループ12社は10.3%減、KNT-CTホールディングスは5.7%減、日本旅行は4.2%減、阪急交通社は10.5%減など、自然災害で厳しい状況だった。
一方、海外旅行はプラス成長を維持しており、9月単月実績は2.7%増の1904億8500万円だった。4月以降の推移をみると、4月は13.8%増、5月は6.2%増、6月は7.3%増、7月は6.3%増、8月は4.6%増、9月は2.7%増とプラス基調で推移している。ただ、伸び率は目に見えて鈍化しており、とくに9月は台風21号による関西国際空港の閉鎖の影響が出て、海外の募集型企画旅行は取扱人数(22.2%減)、取扱額(8.6%減)ともに減少した。受注型企画旅行は堅調だった。
訪日旅行は好調を維持している。9月単月実績は11.5%増の184億7500万円。4月以降は、4月19.7%増、5月7.8%増、6月34.6%増、7月15.3%増、8月23.6%増、9月11.5%増で推移している。9月は訪日旅行でも地震や台風が影響したものの、欧米豪を中心とした個人旅行は堅調に推移し、総取扱額ではプラスを維持した。
4-9月海外旅行は5.2%増、49社中32社プラス
国内旅行は4.2%減、上期プラスは11社のみ