ウイングトラベル
エア タヒチ ヌイ、成田線に来年新機材投入
イースター島チャーター拡充で日本人送客増狙う
エア タヒチ ヌイ(THT)のクリストファー・コレンケ コマーシャル&マーケティング担当バイスプレジデントが来日し、11月15日に千野淳日本・アジア地区統括支社長とともに記者会見を行った。会見では同社の就航20周年にあわせて、新機材であるボーイング787-9型機を投入したことを紹介するとともに、2019年6月から成田−パペーテ線に新機材を投入すると発表した。また、日本航空とのコードシェアを拡大し日本からの乗り継ぎ利便性の向上を図る。さらに、日本人に人気が高い、タヒチからイースター島へのチャーター便を増やし、シニアを中心とした日本人旅客の送客拡大を目指していきたい考えを示した。
千野支社長は「日本支社設立の1つの目的がアジア市場の強化であった。中国や韓国など東アジア市場を中心に取り組みを行った結果、アジア各地から成田を経由してタヒチに向かう旅客の比率が現在では約3割まで上昇した」と述べ、一定の成果を挙げている点をアピールした。
事業環境が好調に推移する中で、同社は20周年を迎えたことを機にB787-9型機を新たに4機購入。1号機は11月7日にパペーテ−オークランド線で運航を開始した。
新機材は来年1月に2機目が導入され、その後順次納入される予定となっている。これを受け、成田線に関しても現在使用するエアバス340型機からB787-9型機に機材を一新する。成田線に関しては、プロモーションフライトとして、2月5日から約1カ月間運航。その後、6月8日からは新機材での運航に完全移行する予定となっている。
新機材は「タヒチアン・ドリームライナー」という愛称を用いて、同社ならでは機内空間を演出した。座席数は294席。フルフラットシートを採用したビジネスクラスが30席。新設のプレミアムエコノミークラスが32席、エコノミークラスが232席となる。プレミアムエコノミークラスは今回初投入となる。このほか、アメニティキットも一新した。
成田線のプレミアムエコノミークラスに関しては、来年6月8日分から正式に発売する。2、3月のプロモーションフライトに関しては当日安価でアップグレードできるようにする。このほか、新機材についてはBtoC向けのPR活動を行い、より快適性の増した機材の魅力を紹介していく予定だ。
さらに、日本における利便性の向上を図るために日本航空(JAL)とのコードシェア運航を拡大する。新たにJALの成田−伊丹、成田−中部、羽田−福岡、羽田−新千歳の4路線にTHTのコードを付与する。
このほか、イースター島へのチャーターフライトを拡充する。イースター島へのチャーターフライトはタヒチからイースター島に向かい、現地で2泊したのちに戻ってくるというスケジュールで造成されているもの。日本の旅行会社とともに企画し、ここ数年運航を続けてきた。今年は新機材移行の影響もあり、下半期の運航はストップしたが、来年は再度増やしていく方針だ。上期はすでに4便の運航が決定。下期も運航する予定で過去最高のフライトとなる予定だ。
千野支社長は「タヒチへの日本人渡航者は以前はハネムーナーが大半だったが、最近ではシニアの訪問客が増加している。シニア層はビーチリゾートとしての魅力に加え、自然や文化に対する関心が高い。そうしたことから、イースター島を組み合わせることで、シニア層のさらなる搭乗拡大につなげたい」と述べ、日本市場強化の一環としてイースター島チャーターをアピールしていく方針だ。
このほか、同社では7月からヘリコプター会社を立ち上げ、遊覧飛行やアイランドホッピングの事業もスタートしている。ヘリ事業についても今後アピールしていきたい考えだ。
今後の路線拡大、旅行者の受入環境不足が課題
ホテル客室数の増加状況を見据えた上で検討
※写真=記者会見を行うエア タヒチ ヌイのクリストファー・コレンケ コマーシャル&マーケティング担当バイスプレジデント(写真左)と千野淳日本・アジア地区統括支社長
※写真=来年6月から日本路線に投入されるB787-9型機「タヒチアン・ドリームライナー」
※写真=新機材には初のプレミアムエコノミークラスが導入される