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2023.11.02

WING

AIRDO、パイロットの自社養成を開始

 2030年問題の課題解決へ

 AIRDOは11月1日、パイロットの自社養成プログラム(Lakselop〈ラクスループ〉プロジェクト)を開始することを発表した。北海道、全日本空輸(ANA)、三井住友銀行、東京海上日動火災保険、北海道内の大学と協力する。
 AIRDOは、これまで航空大学校、私立大学などの操縦士課程を卒業し、航空会社のパイロットとして必要なライセンスを所有した人を対象に採用活動を展開してきており、AIRDOが自社で一からパイロットを養成する試みは、今回が初めて。
 航空旅客需要の成長が著しく見込まれるなか、航空業界ではパイロット不足が深刻になってきている。とりわけ「2030年問題」に直面するとされており、中堅航空会社の1社であるAIRDOとしても、自社でパイロットを養成・育成することで、パイロット数の維持・拡大を目指す。
 今回自社養成パイロットとして「Lakselop」プロジェクトを立ち上げたが、これは北海道とノルウェー(海外訓練実施国)での鮭の遡上になぞらえ、北海道から海外に出て大きく育ち、将来、北海道に戻ってきて活躍してくれることを期待して、ノルウェー語で鮭ぼ遡上を意味する『Lakselop(ラクスループ)』と名付けた。Lakselopはノルウェー語で鮭の遡上を意味する。
 その訓練課程をみてみると、海外で約2年間に亘って訓練を行い、国内でも約1年訓練するというもの。プログラムで は欧州航空安全庁(EASA)が発行するライセンス(事業用操縦士、計器飛行証明)と、日本の航空局が発行するJCABライセンス(事業用操縦士、計器飛行証明)を取得することができる。
 AIRDOによれば、海外訓練でEASAライセンスを取得後、JCABライセンスへの切り替えを実施するとした。
訓練費用に関しては、候補生とAIRDOがそれぞれ負担する予定にあるとし、あわせてクラウドファンディングで訓練費用の支援募集を実施する予定にあるとした。
 気になる選考プロセスは、ANAが実施するパイロット適性テスト「Flight Crew Assessment Test (FCAT) 」を受験し、合格した人が、ADOが実施する採用選考にエントリーする資格を得ることができる。現時点では、AIRDOの採用選考の時期等は未定とのことで、決定次第、あらためて発表する。

※AIRDOのウェブサイト内「特設サイト」
https://www.airdo.jp/corporate/recruit/lakse

※画像=パイロットの自社養成プログラムを開始(提供:ADO)