ウイングトラベル
【潮流】海外旅行3800万人は光明か
11月に入り、晩秋を迎えようというのに、3連休の気温は25度を上回る夏日という異常気象。富士山も再び雪がほんの少しという状態で、これが毎年続くようだと、わが国の農林水産業をはじめ経済や社会生活に影響が出てくるのではないかと心配になる。海外旅行は回復基調にあるとはいうものの、訪日インバウンドと比べてアウトバウンドの伸びは遅れ、この先が心配になる。
先に閉幕した「ツーリズムEXPOジャパン2023大阪・関西」では、観光庁主催による海外旅行シンポジウム」が開催され、多くの業界関係者が来場した。訪日インバウンドや国内旅行の促進による観光立国推進基本計画を進める観光庁がアウトバウンドのシンポジウムを主催することは極めて異例だが、アウトバウンド政策パッケージを策定する観光庁としては、世界各国から観光大臣が集まったツーリズムEXPOの場で、双方向交流の拡大に力を入れていることをアピールする狙いもあったかもしれない。
貿易が輸出と輸入で成り立っているように、観光もインバウンドとアウトバウンドで成り立っており、その意味で、インバウンド好調の日本で、ある程度のアウトバウンドを回復させないと、貿易摩擦ではないが、各国との「観光摩擦」になりかねない。