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2021年以降に月への定期輸送サービスを
ispaceが挑む宇宙資源探査ビジネス
ispaceの袴田武史CEOがこのほど、「2021年以降、月の輸送サービスを構築していくために、定期的な輸送を行っていく」との方針を明らかにした。さらに「年に数回は月面にものを運ぶことができるような輸送船にしていく」とし、「我々は事業を3つ考えていて、一つは1キロあたりいくらという値付けをする輸送サービス。二つ目は月面で得られるデータを販売していくビジネス。そして最後にスポンサーシップに代表されるようなマーケティング機会を提供するビジネスを構築していく」と、月面における宇宙資源ビジネスモデルを明らかにした。袴田CEOは「我々は宇宙資源開発までもっていき、宇宙に大きな産業をつくっていきたい」としている。
袴田CEOは「小型、低コスト、高頻度な輸送インフラを構築することで、より多くのカスタマーにリーチすることができるだろう」とコメント。「今までは国の機関のみしか月面活動はできなかった。しかし、我々は一キロ当たりいくらという荷物配送を値付けにすることで、より多くのニーズを作り出して、より多くの顧客が荷物を月面に輸送することができるようにする」としており、「顧客としてはまずは、政府や宇宙機関が月探査・開発に関心がたかいので、確実なマーケット。そのあとに民間インフラの市場があり、さらにはメディア・エンターテイメントの市場が一定程度あるだろう」との見通しを明かした。
ちなみに、米連邦航空宇宙局(NASA)が先日、コマーシャル・ルナ・ペイロード・サービスを発表。月面へのペイロード輸送を民間に委託することを表明するもので、NASAは10年間で26億ドルを投入する。ispaceも米国のドレイパー研究所とタッグを組んで、NASAの公募に提案書を提出済みで、提案書が認められればispaceが月面にNASAから受託した物資を輸送するミッションを担うことになる。
なおispaceはチームHAKUTOの母体で、HAKUTOはGoogle XPRIZE財団が展開した月面無人探査賞金レース「Google Lunar XPRIZE」に参加。しかしながら、同レースは期限までに決勝に残っていた全5チームが期限内に月面に到達することが困難となり、計画は未達に終わっていた。そこでispaceは「HAKUTO-R」プロジェクトを発足。あらためて月を目指すことにした。ちなみに、「R」はリブート(再起動)の意味。これまでの知見とあらたなリソースを得て、確実に月面に到達していきたいとの想いを込めた。宇宙資源ビジネスの前段階となる「HAKUTO-R」では、2020年半ばと2021年半ばに、それぞれ1つずつのミッションを計画。20年半ばのミッション1では、月軌道に宇宙船を投入し、21年半ばのミッション2で月に着陸し、技術を実証する計画だ。
※画像=ispaceは2020年半ばと21年半ばにミッションを計画。ミッション2では月面に着陸する計画だ(提供:ispace)
※動画(音声に注意)=https://www.youtube.com/watch?time_continue=11&v=wwBZwxdMrDs