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2023.12.11

ウイングトラベル

★日本旅行作家協会が創立50周年記念パーティー開催

 下重会長「旅は文化、旅をもう一度考える機会に」

 

 日本旅行作家協会(下重暁子会長)は去る11月29日、東京・表参道のザ ストリングス 表参道で、創立50周年の記念パーティーを盛大に開催した。当日は150名以上の会員、ゲストが参加し、華やいだ雰囲気に包まれた。
 下重暁子会長は、50年前に「旅をしないと生きていけないような10人程度」で同協会を設立したという発足当初の思い出を語り、初代会長の斎藤茂太さん、2代会長の兼高かおるさんの在りし日のエピソードを披露した。
 「旅は不思議なもので、違う自分になれる、違う自分を見つけることができる。旅はそこの土地の文化を知ることでもあり、自分の中にある文化を知ることでもある。経済は大事だが、それが目的ではなく、文化を大事に生きていく上で、最終的な結果として現れるもの」と述べ、経済優先の昨今の風潮を憂いた。
 下重会長は「今日の50周年を記念して、もう一度、自分なりの旅を考える機会にしたい」と挨拶を締めくくり、次の50年を見据えた。

 

 第7回 日本旅行作家協会賞に池澤夏樹さん受賞

 

 同協会創立50周年記念に併せて、第7回日本旅行作家協会賞の授賞式が行われた。同賞は芥川賞作家の池澤夏樹さんが受賞した。司会を務めた航空・宇宙ジャーナリストの中村浩美同協会副会長は、池澤夏樹さんのこれまでの功績を紹介するとともに、「旅を語り、旅を愛する者として『ハワイイ紀行』は忘れられない一作。ジャーナリスティックな手法によるユニークな紀行文は傑作」と称賛した。
 池澤さんは日本交通公社(現JTB)の雑誌「旅」への連載で、日本中を旅したこと、また、世界中を旅していつもこの地を訪れたであろう兼高かおるさんに思いを馳せていたことなどをユーモアを交えて話した。池澤さんには、九谷焼の大きな壺が協会賞として贈られた。

※写真=前列に下重暁子日本旅行作家協会会長と池澤直樹さん、後列同協会役員の方々、ウクライナの音楽家カテリーナさん、書道家の蓮水さん