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2023.12.14

WING

大阪湾をヴォロコプターのeVTOLが試験飛行

 地元小中高生、静かなフライトに「おぉっー!」

 ドイツのeVTOLメーカーであるヴォロコプターは12月13日、住友商事と共同で、大阪市此花区にある大阪ヘリポートにおいてeVTOLの試験飛行見学会を実施した。
この見学会には大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市長ら地元自治体および産業界の関係者のほか、大阪市と兵庫県尼崎市の小・中・高校生ら約250名の生徒たちが駆け付け、その試験飛行を見守った。
ヴォロコプターは2025年開催予定の大阪・関西万博において、日本航空(JAL)らとタッグを組んで遊覧飛行を提供することを計画しており、今回の飛行試験見学会の開催は社会受容性を高めることが、大きな狙いの一つだ。
 そのヴォロコプターは来年7月末から開催予定のパリ五輪期間中、eVTOLを運航することを計画している。ただ、地元パリ副市長からeVTOLの運航に批判的な見解が示されるなど、eVTOLという先進的な乗り物に対する社会受容性獲得では苦労している一面も見受けられる。
 そうしたなか今年3月には、大阪・梅田において機体モックアップを展示したほか、今回の飛行試験見学会に参加した学校で出前授業を開催するなど、日本国内における草の根活動を継続して実施してきていた。
 なお、地元児童が参加した試験飛行見学会の前に、去る12月7日と11日には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証として、飛行試験機「Volocopter2X」を投入した地上および飛行試験を実施した。バッテリー充電および搭載作業、メンテナンス、飛行中の動作確認、管制塔との飛行プラン・安全確認などを検証したほか、消防署などとの緊急時の連携などを確認した。
 その際にもパイロットが搭乗した有人飛行では、大阪ヘリポートを飛び立って500メートルほど海上に出て旋回。飛行高度は最大50メートル、時速30~45kmで飛行した。

※この記事の概要
・低騒音・飛行安定性を間近に体感
・バウアーCCO、「市民の理解と協力を構築することが責務」
・吉村知事、「空クル飛び交う未来社会の実現を」
■バウアーCCO、「見て、聞いて、慣れて」

 アフター万博見据えて様々な検討
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 他公共交通とシームレスに繋ぐ社会実現を など