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2018.11.22

ウイングトラベル

今年の訪日外客、3000万人突破が確実視

田端観光庁長官「特段のマイナス要素なければ達成」

 観光庁の田端浩長官は11月21日の業界紙会見で、今年の訪日外国人旅行者数について初の3000万人突破が見込まれるという考えを示した。9月は自然災害の影響により、前年比マイナスという結果となったが、10月は前年同月比1.8%増と再びプラスに転じる結果となった。田端長官は「10月後半以降の状況を見ると、良い流れとなっているし、冬ダイヤでアジアを中心に航空座席数が増えたことも追い風になる。特段のマイナス要因がなければ達成可能だ」と述べた。
 日本政府観光局(JNTO)が10月の訪日外国人旅行者数は前年同月比1.8%増の264万1000人となった。韓国と台湾、香港についてはマイナスとなったが「大型連休の日並びの影響が大きかった」と分析。一方で中国はマイナス3.8%からプラス7.8%に回復したことや欧米豪市場についても堅調に推移したことが今回の実績につながった。田端長官は足元の訪日インバウンドの動きについて「自然災害発生前の水準をやや下回る程度まで戻ってきたと考えている。このまま良い流れで維持してくれることを期待している」とコメントした。
 一方、出国日本人数も12.8%増の164万6200人となり、今年初の2ケタ増となった。アウトバウンドの直近の動きについて田端長官は「台湾、中国、韓国、グアムなどが良い動きになっていると聞いている。海外旅行でも訪日インバウンド同様、航空便の増加が旅行しやすい環境が整ってきている。旅行喚起に向けて良い流れとなっているこの機会に旅行会社に対して、よい商品を作ってもらい需要拡大につなげてもらいたい」と述べた。

 

 20歳初めての海外体験プロジェクトが始動
 継続的な実施に向けてJATAと緊密な連携へ

 また、アウトバウンド関連については先日行われたJATAアウトバウンド促進協議会の臨時全体会議で、若年層の海外需要喚起に向けた活動として、年間200人程度を海外各地に無料で招待し、さまざまな体験をしてもらう「20歳初めての海外体験プロジェクト」を展開していくことが発表された。同企画には観光庁も参加者の募集などで連携していくことになっている。
 この取り組みについて田端長官は「若年層の旅行需要拡大につながる非常に良い取り組みであるし、内容も素晴らしいものであると考えている。そうした取り組みは1回限りということではなく、継続されていくことが重要であるとおもっている。今後はJATAとしっかり打ち合わせをしながらより良いものを作っていきたい」と述べた。

 

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※写真=業界紙向け会見に応じる観光庁の田端浩長官