JAXA、小型月面着陸実証機の「軟着陸」成功

　ピンポイント着陸は恐らく成功、データ解析急ぐ

　宇宙航空研究開発機構（JAXA）が開発した小型月着陸実証機「SLIM」が1月20日午前0時20分、月面に軟着陸することに成功した。米国、ロシア（旧ソ連）、中国、そしてインドに続き、5カ国目の月面着陸の成功となった。
　まずは月面軟着陸成功という快挙を成し遂げたが、「SLIM」の主目的である誤差百メートル程度のピンポイント着陸に関しては、「SLIM」が地球へダウンリンクするデータを約1カ月かけて解析し、その成否を判断することになる。
　「SLIM」の着陸後に開かれた記者会見でJAXA宇宙科学研究所の國中均所長は「探査機は着陸後、正常に通信を日本局に伝えている。また、地球からのコマンドも正確に受診して、探査機が反応している」ことを発表した。
　ただし、「太陽電池の発電ができていないことが確認されており、現状は電力が発生できていない」ことに触れ、「搭載バッテリーで運用している」ことを明かした。その上で、「着陸に際して取得したデータが探査機内に蓄積されているため、まずは地球にダウンリンクして、科学成果の最大化を図るべく、努力している」とした。

※画像＝世界で5カ国目の月面着陸成功に。画像はイメージ(提供：JAXA)

※この記事の概要
・太陽電池が電力発生せず
　着陸姿勢に計画とズレ？
・ヒーター切るなど延命作業
　データダウンリンク急ぐ
・現状維持しつつ太陽の当たり方変化待つ　など