記事検索はこちらで→
2024.01.23

WING

小型月着陸実証機SLIM、着陸から約2時間37分後に電源OFF

 バッテリー残量12%、復旧時の過放電で再起動阻害を防止

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は去る1月20日に月に軟着陸することに成功した小型月着陸実証機「SLIM」について、着陸から2時間37分後の午前2時57分に、電源を切ったことを明らかにした。
 JAXAによると、バッテリー残量が12%となった時点で、復旧運用時の過放電による機能喪失したバッテリーで再起動が阻害される事態を防ぐべく、「SLIM」の電源を切ったとのこと。今後、太陽の向きが変わることにより、太陽電池が電力を生み出す可能性があるとして、復旧に向けた準備を進めていくとした。
 米国、ロシア(旧ソ連)、中国、そしてインドに続き、世界5カ国目の月面着陸に成功した日本のJAXAが開発した「SLIM」。この実証機は、それまで十数kmオーダーだった月への着陸精度を、100メートルオーダーまで着陸誤差を小さくすることを目指したものだ。
 この技術を確立することができれば、今後の月面における有人・無人探査はもちろん、火星のような深宇宙探査活動にも寄与するとみられている。