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2018.11.27

ウイングトラベル

観光庁、民泊届出で不適切事例と自治体名公表

那覇市と文京区は事前相談を義務付け

 観光庁は、住宅宿泊事業(民泊)の届出の手続きが煩雑との指摘を受け、関係自治体を対象に届出事務に関する実態調査を行った結果、那覇市と文京区で住宅宿泊事業法に規定のない事前相談を義務付けているなど、不適切な運用が行われている事例があったとして、不適切事例と自治体名を公表するとともに、関係自治体に通知を発出して早急な改善を求めた。
 それによると、住宅宿泊事業法では健全な民泊の普及を図るために届出制としているが、その一方で、一部の自治体の条例や運用による手続きの上乗せ措置により、届出が伸び悩む一因になっているとの指摘があり、届出事務を担う101自治体(47都道府県、31保健所設置市、23特別区)に対して調査を実施した。調査は7月31日締切で実施した。
 それによると、届出に際し、那覇市と文京区の2自治体では、住宅宿泊事業法に規定のない事前相談を義務付けており、那覇市は要綱、文京区はガイドラインで事前相談の実施を定めていた。また、57自治体が事前相談を推奨しており、うち26自治体(東京都、兵庫県、鳥取県、川崎市、京都市、堺市、神戸市、岡山市、八王子市、倉敷市、町田市、千代田区、港区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、杉並区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区)は、ホームページ等で事前相談が必須であると誤解を与えるような案内を行っていた。
 このうち堺市、八王子市、港区、品川区では、既にホームページ等を修正済みとしている。
 なお、追加ヒアリングに対して京都市は、事前相談について、「義務化していないが、事前協議をしない場合、書類の不備等によりかえって時間を要してしまう場合がほとんどであるため、ホームページ等で事前協議をするよう掲載している」と回答したとしている。
 また、届出方法については、国が電子的な届出が可能なシステムを構築し、ガイドラインにおいてシステムを利用することを原則としているが、78自治体でシステムを活用した届出を推奨している反面、とくに推奨していない自治体が23自治体あった。
 届出時の提出書類については、92自治体で法令に規定されている以外の独自の書類の提出を求めており、提出を求めている根拠として条例のほかにガイドラインや手引き等で定めている自治体が多いが、山形県、沖縄県、川崎市、神戸市、川口市、尼崎市の6自治体では根拠無しとの回答だった。
 また、届出内容との一致等を確認するため、18自治体で任意の現地調査を実施しており、そのうち秋田県、群馬県、滋賀県、京都市、鳥取市、那覇市、千代田区、新宿区の8自治体では、届出受付から受理までの間に現地調査を実施しているとの回答だった。このうち、群馬県と滋賀県は現地調査が必要と判断した場合に実施しており、過去に実施した実績は各1件としている。
 届出受付から受理までの期間については、74自治体が2週間以内と回答した一方で、2週間以上を要している自治体も22自治体あった。また、回答の中には、不備解消後からの処理期間と記載している自治体もあった。

 

 早急な見直し求める通知を11月22日付で発出
 条例等の根拠なく事前相談は行政手続法違反も