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2024.01.29

WING

衛星測位システムへの攻撃が急増、航空機運航の脅威に

EASAとIATAがワークショップ、脅威の共有・対策等合意

 

 欧州航空安全庁(EASA)と国際航空運送協会(IATA)は1月26日(ケルン現地時間)、衛星測位システム(GNSS)に対するスプーフィング攻撃とジャミング行為に対抗するため、EASA本部で共同開催したワークショップの結果を発表した。
 GNSSは米国のGPS、欧州のガリレオなどの衛星コンステレーションに基づき提供されている測位システムだ。そのサービスに対する「ジャミング」は信号を遮断し、「スプーフィング」は航空機に搭載された受信機に偽の情報を送信するというもの。
 航空機の位置情報などの共有に活用されているGNSSへの攻撃・干渉は、昨今では急増する傾向にあるとのこと。とりわけ政情が悪化・不安定な状況にある東欧や中東地域でジャミングやスプーフィング攻撃が多発しているほか、同様の事件が世界各地の他の場所でも報告されているという。航空機の安全運航を脅かすものであり、欧州はもちろん、世界的にも警戒を強めている。
 EASAとIATAが共催したワークショップでは、リスクを軽減するためにはインシデント情報と改善策の共有に始まり、短期・中期・長期の対策が必要であると結論付けたほか、いくつかの対策について、合意・共有した。

 

※画像=GNSSに対するジャミングなどが急増。航空の運航安全を脅かす。画像は欧州の測位衛星「ガリレオ」(提供:ESA)

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