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2024.02.01

WING

ボーイング23年決算、最終損失22億4200万ドル

 改善進むも5年連続赤字、アラスカ機事故など前途多難

 

 ボーイングが1月31日(現地時間)に発表した2023年通期決算(2023年1月1日~12月31日)によると、最終損失が22億4200万ドルと、前年の50億5300万ドルの最終損失に比べて改善が進んだものの、引き続き苦しい決算となった。
 期間中の売上高は前年同期比17%増えた777億9400万ドルに、営業損失は前年同期の35億1900万ドルから7億7300万ドルと、損失幅を縮小させた。
 ボーイングのデイビット・カルフーン社長兼最高経営責任者(CEO)は、「本日は決算をご報告するが、当社は品質強化に向けた包括的な取り組みに全力を注いでいる」とコメント。何とか赤字脱出を目指すボーイングだが、数字の上では改善が進んだものの、それでも5年連続の赤字決算となるなど、現実は厳しい。その上、去る1月5日に発生した飛行中のアラスカ航空の機体で非常口扉が外れるというまさかの事態が。これを受けて米連邦航空局(FAA)や米運輸安全委員会(NTSB)が調査に乗り出し、しかもFAAは737MAXの増産について、「容認しない」という大鉈を振るった。この措置がいつまで継続するかは不透明だが、ボーイングは同型機を増産し、顧客への引き渡しを急ぎ、利益の刈り取ろうとしていただけに、その戦略に「待った」がかかった状態だ。

 

※写真=まさに前途多難なボーイング。品質問題などを抱え赤字脱却はまだ先のことになりそうだ

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