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2024.02.27

WING

JAXA、小型月着陸実証機「SLIM」が越夜、再び画像撮影に成功

「SLIM」着陸の異常発生時のテレメトリデータ公表、詳細分析へ
 

 

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月26日夜、1月31日以降、休眠状態だった小型月着陸実証機「SLIM」が越夜し、再び通信を確立することに成功し、航法カメラを使って撮影した画像を公開した。
 また同日、文部科学省の宇宙開発利用部会において、「SLIM」が月面へのピンポイント着陸時に発生したメインエンジンンのうち、「OME-MX」が脱落した際のテレメトリデータを明らかにした。
 今回明らかにされたテレメトリデータでは、メインエンジンの「OME-PX」と「OME- MX」のパルス噴射に呼応して、加速度の値がパルス状に変化しているが、15:19:17.5あたりのパルス以降、メインエンジン噴射中の加速度が大幅に落ち込んでおり、この時点で「OME-MX」が有効な推力を発生しなくなったと推定。加速度半減後、着陸レーダ高度出力には「SLIM」から相対的に遠ざかっていく物体があるかのようなデータが検出されたとのことだが、これは航法カメラで撮影されたノズルの位置・タイミングとは若干のズレがあり、テレメトリデータを詳細解析中であることを明かした。
 また、着陸レーダは異常事象が発生する数十秒前から近距離側測定限界近くの距離計測出力をしており、レーザ距離計(LRF)もノズルが離脱したと推測される時点前後で大きな反射光を観測したという。

 

※画像=越夜した「SLIM」が2月26日に航法カメラで撮影した月面画像(提供:JAXA)

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