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2024.02.29

WING

羽田事故対策検討委、管制運用のソフト対策を議論

 
 国土交通省は2月28日、羽田空港における衝突事故の発生を受けて設置した羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会の3回目の会合を開いた。今回の会合では、事務局を務める航空局から、事故発生後に緊急対策として講じてきた航空の安全・安心確保に向けた緊急対策の進捗状況の説明があったほか、委員から主にソフト対策に関するプレゼンテーションが行われた。
 このなかで同委員会の小松原明哲座長(早稲田大学理工学術院創造理工学部経営システム工学科教授)から、ヒューマンエラーの発生要因について人間工学的な見地からいくつかの事例やデータを使って説明があった。小松原座長によれば、正確な意思伝達のためには、意図や文脈・背景を共有することが重要であることのほか、管制運用のあり方を考えるためには、現場の実情やヒューマンエラーのリスクを含めた人間の諸特性を踏まえた管制官を支援するシステムが必要であるといった提言があった。
 また、東京大学先端科学技術研究センターの伊藤恵理教授、東京都立大学システムデザイン研究科航空宇宙システム工学域の武市昇教授がそれぞれ研究を紹介。既にCARATSロードマップにもそれぞれ盛り込まれているが、それぞれの研究が実装された場合に、管制官のワークロード軽減と安全性向上に寄与するとの説明がなされた。さらに、電子航法研究所交通管理領域の福島幸子領域長が、管制業務の現状分析に基づく飛行場面の監視のあり方を提言した。

※この記事の概要
 空港混雑回避や自動化システム
 軌道ベース運用などで管制官負荷軽減を
 管制官への注意喚起、画面・音の2段階方式を
 ENRI、来年度からA-SMGCSを再び調査・研究 など