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川崎重工、航空宇宙の本拠・岐阜南工場の再編着手
防衛技術研究開発・生産能力向上へ
政府が5カ年43兆円の予算を投じて、抜本的な防衛力強化に乗り出すなか、さまざまな装備品の調達数が、かつてない規模で増加していくことは想像に難くない。企業側からすれば、生産能力の拡大、さらには研究開発能力の拡充を図るなど、政府のニーズに応じて対応を深化していくことが求められる。
本紙の取材に応じた川崎重工業航空宇宙システムカンパニーの下川広佳プレジデント(専務執行役員)は研究開発能力について、「企業にとって根幹だ。これまでと同様、社内研究の予算を十分に確保して、研究開発を進めていく。防衛装備庁の研究試作も積極的に手掛け、研究開発事業全体の拡大を図っていく」と話した。
一方で防衛装備品の生産能力の拡大では、「回転翼のCH-47、そして誘導機器では各種共同開発案件を含めたパッケージの増産が見込まれている」ことに言及。「これらの能力増強に向けて、リソースを再配分中」であることを明かした。
とりわけ岐阜工場の南工場では、既存建屋の再編に取り組んでいるとのこと。「開発・製造で当社が主契約者(プライム)であるプログラムに関しては、ライフサイクル全体に亘って担保することが当然必要。一方、南工場には政府が海外から購入した機体のメンテナンスを担う格納庫も複数存在する」とのことで、「メンテナンスの際に、部隊から当社に機体を搬入せずに、当社の作業員が部隊のハンガー等に行き、整備を行うという提案を行っている。結果、当社のハンガーに少しずつ空きが生れ、その空きスペースを活用しながら、南工場のハンガーの再編に着手した」ことを明かした。
※この記事の概要
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