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川崎重工業、民間航空エンジンMRO事業を明石で検討開始
三島ディビジョン長、「新たな収益となる柱の事業に」
川崎重工業航空宇宙システムカンパニーは、民間航空エンジンのMRO事業参画の検討を始める。防衛省・自衛隊向けのエンジンMRO能力は既に保持しているほか、民間航空エンジンでも部品修理レベルの能力を有しているが、一方で民間航空エンジンのオーバーホールはこれまで実施していなかった。航空宇宙システムカンパニー航空エンジンディビジョンの三島悦朗ディビジョン長(執行役員)が明らかにした。
「PW1100G-JM」プログラムにおいて、エンジンOEMのプラット&ホイットニーのサプライヤーで金属粉末にコンタミネーション(コンタミ:異物混入)が発生した問題で、航空会社の運航停止(AOG)を極小化するべく、同エンジンの点検・部品交換を急ぐことが求められている。そうしたなか川崎重工業としても、同プログラムに合弁会社であるIAE社のメンバーとして資本参加していることから、民間航空エンジンのMRO能力をできるだけ早期に獲得して、貢献していきたい考えだ。
また、PW1100G-JMエンジンは搭載機であるエアバスのA320neoがベストセラー機として旺盛な需要に直面しており、いずれはエンジンMRO需要が大量に発生することは想像に難くない。同社としても、そうした将来のMRO需要への体制を備えておくことで、航空エンジンディビジョンの新たな事業の柱へと成長させていく狙いだ。
※写真=川崎重工業の航空エンジンの拠点である明石工場(提供:川崎重工業)
※この記事の概要
・V字回復途上にまさかの事態が
組織・ポートフォリオ見直しへ
・今後の新規プログラム参画の考え方は?