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川崎重工業、明石工場で描く将来工場構想とは?
PW1100G問題でスローダウン、民間MRO対応等考慮
川崎重工業航空エンジンディビジョンでは、明石工場の将来構想・再編計画を描きつつある。同ディビジョンエンジン生産総括部の松崎祐司総括部長(理事)は「明石工場は航空エンジン以外にも、モーターサイクルやロボットなど、複数の事業部門が同居している複合工場」であることに触れつつ、「各事業部門の収益状況によって、日々、計画が変化する特徴がある。言い方を変えれば、長期構想を描く際、難しさがあるとも言うことができるだろう」と説明した。
川崎重工業の社内では、2040年をターゲットにしたビジョンがあるが、明石工場でも2040年にどのようなものづくりを行っているのかというイメージを描きながら、工場再編計画を練ってきていた。
ところが、同社が参画するPW1100G-JMエンジンプログラムにおいて、海外で一部部品に金属粉末のコンタミネーション問題が発生。この結果、大きな打撃を被ることになり、「(計画を)ややスローダウンせざるを得ない状況にある」と説明した。ただ一方で、「検討を止めている訳ではなく、これを機会にビジネスモデルやポートフォリオなど、様々な観点で見直しを進めており、その見直しを織り込みながら、この工場はどういう姿にしていくのかというのを、まさに目下は検討している」ことを明らかにした。
※この記事の概要
・明石工場の中長期的な将来像とは
量産品生産はサプライヤーに
・民間エンジン、年1~2割回復
完全回復に数年 など