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2024.03.21

WING

川崎重工業、民間機生産拠点・名古屋第一工場の今

 787生産拡大や777X量産本格化向けた準備余念無し

 

 川崎重工業名古屋第一工場は、国際共同開発を展開する民間航空機の生産拠点として、787型機および777/777X型機の各種構造部位の製造を担っている。新型コロナパンデミックの発生により、民間航空機の新造機需要が低迷し、一時は工場の稼働が大きく落ち込んだものの、市場の回復に伴って再び活気が戻ってきた。
 ボーイングは今後、2025年~2026年にかけて787型機の生産レートを月産10機に引き上げることを公言しているほか、777ファミリーの最新派生機777Xが2025年にいよいよ就航する計画にあって、量産が本格化していく。そのため、川崎重工業の名古屋第一工場でも、増産に向けて準備作業に余念がない。
 その舵取りを担うのが、航空宇宙システムカンパニー民間航空機ディビジョンを牽引する須藤政隆ディビジョン長だ。コロナ禍からの生産回復、そして次なる成長へ―――。須藤ディビジョン長に、名古屋第一工場の今、そしてこれからの姿について話を聞いた。

 

 生産の基盤はKPS
 その活動の更なる深化を

 

 コロナ禍、生産が低迷していたとはいえ、名古屋第一工場では生産回復を見据えた改善策を深掘りしてきた。川崎重工業が展開する「カワサキ・プロダクション・システム」(KPS)活動は、航空宇宙システムカンパニーのまさに十八番の改善活動。コロナ以前から進めてきたKPS活動を、生産が停止したコロナ禍にさらに深化させてきた。

 

※写真=川崎重工業の強みであるロボットで生産を効率化。写真は777X生産ラインの大口径穿孔用ロボット

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