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2018.12.03

WING

NAA松本取締役、更なる機能強化で新ターミナル

貨物地区再編へ、変更許可申請までに新たな姿

 成田国際空港会社(NAA)の松本大樹取締役は11月30日の定例会見で、成田空港のさらなる機能強化に関する施設レイアウトの検討について、新たな旅客ターミナルを整備する方向で検討していることを明らかにした。3本目滑走路の整備などによって、空港容量が大幅に拡大することになるが、既存施設の拡大ではなく、新ターミナル整備によって増大する旅客に対応する考え。また、貨物地区の再編を進める。現存の施設は40年前の設計のため、将来の規模に見合った配置として整備を検討する。最終的なレイアウトは、基本的に空港の変更許可申請を国へ提出するまでに決定するとしている。
 松本取締役は、今NAAが取り組んでいるのは、航空会社や鉄道会社など、関係者からの聞き取りだと説明した。それらの意見を踏まえ、空港レイアウトに関するマスタープランをつくっているところだという。その中で、滑走路を新たに1本整備することになるため「(ターミナルは)今の状況では足りないので、ターミナルはもう1つ造る」と、現在の検討状況について話した。新たなターミナルを造る場所や規模については、「まさに様々な話を聞きながら決めていく」とのことだ。
 また、新たな成田空港の姿を描くためには、貨物地区の再編も課題の一つだとした。「今の貨物地区は古いものなので新しくする」と明言すると、それは「今の場所で造るのか、あるいは場所を変えて新しく機能強化の用地として買ったところに造っていくのか、まさに貨物の関係事業者などから話を聞きながら決めていかなくてはいけない」と述べた。
 松本取締役はかねてより、取得計画中の新用地に隣接する圏央道・大栄-松尾横芝間の開通に注目している。同区間は2024年にも開通見込みとなっているが、その後に3本目滑走路が整備されると、これまで成田市側中心だった空港アクセスが、多古町側にも生まれることになり、旅客のみならず物流の面でも利便性がより高まることになる。この度の会見で、貨物施設検討の俎上に新用地が上がっていると示されたことを考えれば、利便性を考慮して3本目滑走路周辺に新貨物地区を整備する可能性が高いと見られる。

※写真=成田の更なる機能強化に向けて、新ターミナル整備で検討を進めている(提供:NAA)