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航空業界支えるグラハン人材は戻ってきたのか?
数の上で回復進むも「採用」と「離職」は一進一退
人材不足が課題となっている航空業界。かつて、大手航空会社ならば就職ランキング上位に位置し、極端な言い方をすれば、かつては黙っていても人が集まった業界と言えよう。しかしながら新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機に直面し、多くの人材が業界を去っていった。
その結果、とりわけコロナ禍を経てグランドハンドリングや保安検査員の不足が顕著となり、欧米では運航に大きな影響が発生した。日本でも、欧米ほどでは無いにしろ、航空会社のネットワーク拡大や新規就航戦略への影響が懸念されるようになっていった。
焦った航空業界は、産官一体となって課題の抽出と人の呼び込み、そして人材が定着する魅力ある産業づくりに向けた取り組みを発進させた。果たして、人材の確保・定着は進んでいるのか―――。
国土交通省の聞き取り調査によると、全国空港でグランドハンドリングに従事する人員は、ランプハンドリング、旅客ハンドリングともに、コロナ前(2019年3月)水準まで回復してきたことが分かった。これは4月3日に国土交通省が開催した「持続可能な発展に向けた空港業務のあり方検討会」の9回目の会合で明らかにされたもの。
※グラフ=グラハン人材の回復が進んだ(出典:航空局資料より)
※この記事の概要
・ 急回復進むグラハン人数、コロナ前水準に戻る
・業界最大の課題、定着率の「悪さ」は健在
採用と離職の比率は3:2にも
・待遇改善は進んでいるのか? など