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三菱重・ボーイング・SMBCがSAFレポート
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2050年までに国内原料で年1100万kl分のSAF生産可能
ボーイング、三菱重工業、SMBCアビエーションキャピタルの3社は4月9日、持続可能な航空燃料(SAF)に関する包括的なレポートを発表した。それによれば、技術投資と政策支援を促進する事によって、航空業界がカーボンニュートラルを目指す2050年までに、年間1100万キロリットル分(29億6000万ガロン、合成燃料を含む)のSAFを日本国内原料で生産できる見込みにあるとした。これだけの生産量を確保することができれば、国産原料で生産した国産SAFによって、国内のジェット燃料需要の80%をカバーすることができると試算した。
日本政府は、世界各国と同様、2050年までにネットゼロを達成することを目指すことを表明しているほか、本邦航空業界は2030年までにSAFの使用率を10%まで引き上げる方針を発表。2050年までにカーボンニュートラルな航空輸送を実現していく構え。
その目標達成の大きな鍵を握っているのがSAFだ。しかしながら現状、世界的にみてもSAFの供給量は少なく、もちろん日本国内でも需要に対する供給量は圧倒的に少ない。しかも、現在は国産SAFの供給量はほとんどなく、わずかながら使用されているSAFも輸入に依存していることが実情だ。
そうしたなか3社がまとめたレポートでは、SAFのエコシステムを構築し、日本政府および航空会社の目標を達成するために必要な原料、技術、政策について、それぞれ分析した。