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2024.05.13

WING

日米豪比防衛相会談、南シナ海の中国妨害懸念

3ヵ国でF-35の共同訓練実施へ、協力強化を強調

 木原稔防衛大臣は5月2日から4日まで米国・ハワイ州を訪問して、米国、オーストラリア、フィリピンとの防衛相会談へ参加した。ロイド・オースティン米国防長官、リチャード・マールズ豪副首相兼国防大臣、ギルベルト・テオドロ比国防大臣と、インド太平洋地域の情勢や防衛協力について協議し、特に中国によるフィリピン船舶への度重なる妨害などの行為について、改めて深刻な懸念を表明した。さらに日米豪の3ヵ国では防衛協力を一層進展させるとし、具体的には今後2年間で3ヵ国がF-35戦闘機を使った共同訓練を実施することで一致。強い結びつきを強調した。
 今回で2度目の日米豪比防衛相会談では、共通のビジョンである“自由で開かれ安全で繁栄したインド太平洋”を進める連携の重要性を強調した。特に東シナ海・南シナ海における深刻な懸念を表明し、南シナ海では中国の行為を念頭に、海上保安機関や海上民兵船舶の危険な使用に断固反対した。フィリピン船舶に対する度重なる妨害や、セカンド・トーマス礁補給線への妨害に対し、改めて深刻な懸念を表明した。そして国連海洋法条約(UNCLOS)をはじめとする国際法の尊重の重要性を強調した。さらに2016年の南シナ海に関する仲裁判断に言及し、最終的かつ法的拘束力を持つものとして、これを遵守するよう中国に求めるとともに、4ヵ国が協力する決意を示した。
 また4ヵ国協力の具体的な事例として、今年4月にフィリピンの排他的経済水域内で行った海上協同活動を示し、協力強化へ向けたコミットメントを強調した。あらゆるレベルでの連携拡大が進展しているとし、南シナ海での協力活動、情報共有などの手続き、能力構築支援について、強化させる防衛協力を進める機会をつくるよう議論した。

※この記事の概要
・AUKUS先進能力への日本協力協議
 日米豪での無人機研究など推進
日米では防衛産業協力など協議
 比への移動式レーダー納入歓迎  など