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2024.05.13

WING

ANA、GSE車両にリニューアブルディーゼル

 東京都支援事業で実証、来年3月まで200kl

 全日本空輸(ANA)は5月9日から、航空機地上支援器材(GSE)にリニューアブルディーゼルを投入した実証を、羽田空港で開始した。
 ANAは昨年9月、伊藤忠エネクスなどと共同提案した東京都の「バイオ燃料活用における事業化促進支援事業」の採択を受けており、今回の実証はその一環。2025年3月末までの事業期間中、200キロリットルのリニューアブルディーゼルをGSE車両に投入する計画だ。
 今回の実証では伊藤忠エネクスがネステから調達したリニューアブルディーゼルを供給。ANAは保有するハイリフトローダーが10台、航空機牽引車10台、そしてパッセンジャーステップ6台の計26台のGSE車両を対象とする。その他の車両についても、実証の進捗に応じて拡大することを検討する。
 ANA経営戦略室企画部GXチームの乾元英マネジャーは「すべてのGES車両をEV化することは現実的には難しい」とコメント。その背景には日本メーカーがほとんど製造しておらず、EV車種の選択肢がないことに加え、空港内の充電設備が未整備かつ空港敷地内に設置可能な場所も限定的であること、さらには大型GSE車両をEV化するには多くの蓄電池・充電時間が必要となり、コスト・運用上の課題が大きいことなどを挙げた。
 加えて、万一、災害などで停電が生じた場合、予備電源が限られていることもあって、社会インフラとしてオペレーションを維持する上で、全車両をEV化することには課題があることにも触れた。
 そのためANAとしては、「EV、リニューアブルディーゼル、その他の選択肢を組合せ、運用上の課題、経済合理性を踏まえたベストミックスを検証する必要がある」との見解を示した。

※この記事の概要
・FAMEと異なるHVO活用
 NOxやPM削減、煤はほとんど生じず
・地方税法上に課題、軽油と区別した運用・申告

 利用促進には法制上の課題解決が不可欠か    など