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2024.05.13

WING

成層圏に微生物はいるか?大樹町拠点に大気球実験

 JAXA、大気球使った6件の実験を今夏実施計画

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は大樹航空宇宙実験場で今年度の実施する計画の実験のうち、大気球を活用した実験について、実験装置の不具合で2023年度に実施することができなかった実験を含め、理学観測実験を3件、高額実証実験を3件実施する予定にあることを明らかにした。実験期間は5月20日~8月31日まで設定した。
 高速で衛星などを宇宙へと輸送するロケットとは異なり、大気球は宇宙への入り口となる地球大気の境界領域に長く留まることができる。さらに、気球を活用すれば、実験機器の大きさなどの条件がロケットに比べて緩くなるなど、実験者は様々なメリットを享受することができる。
 今年度の実験計画では、前述したように、計6件の大気球実証実験を行う予定で、成層圏に微生物が存在するか確認するための新型採集装置を実証するほか、火星飛行機に搭載する計画のプロペラをゴンドラから吊り下げて性能を検証するなど、バラエティに富んだ実験を展開する。
 なおJAXAは1997年から大樹町において様々な実験を行っており、2008年には大樹町と連携協定を締結。大樹町多目的航空公園に、「大樹航空宇宙実験場」として研究拠点を構えている。

※この記事の概要
・成層圏の微生物有無確認へ新型採集装置
 着水時の浸水対策など確認
・改良型クライオサンプラーの性能実証
・レーザー周波数比較で一般相対論の高精度化検証

 測位衛星軌道で検証上回る制度に期待
・スーパープレッシャー気球の飛翔性能を評価

 2000m3の気球放球、運用性確認
・新型薄殻エアロシェルで自由飛行実験

 深宇宙からサンプルリターンに寄与
・火星飛行機搭載用のプロペラの空力特性検証

 飛行中に吊り下げ推力・トルク計測    など