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2024.05.20

WING

空港グラハン協会、新会長に服部氏就任で2期目スタート

 高離職率に歯止め掛けられるか正念場、一般社団化も視野

 

 政府が経済成長のドライバーとして2030年に訪日旅客数6000万人という目標を掲げるなか、グランドハンドリング人材を如何に確保していくのか、大きく揺れている。デジタル・トランスフォーメーション(DX)を活用したグランドハンドリング業務の省人・省力化が検討されているが、労働集約的なところに頼らざるを得ない作業もあり、深刻な人手不足も解決していかなければ、政府目標の達成はおろか、外国航空会社の就航誘致にも影響が出かねず、日本の競争力低下を招きかねない。
 そうしたなか空港グランドハンドリング協会は5月16日、羽田空港において第2回年次総会を開催し、発足1年目の第1期事業報告と、2年目に突入した今期にあたる第2期事業計画を明らかにした。さらに、協会の2代目会長に服部茂氏(ANAエアポートサービス代表取締役会長)が就任するなど、第2期役員体制が発足した。
 あらたに会長職に就任した服部会長は就任の挨拶において、「常に現地現物に根差し、現場の実態把握、とりわけ地方の声を重視する」としたほか、「会員相互の連携を深め、各社の経営基盤の強化に繋げていく。さらには魅力ある業界の実現に向けて、中長期的な活動に着手する」といった方針を示した。
 なお空港グランドハンドリング協会は4月1日現在、85社3万9774名(正会員数)が属する巨大組織へと成長した。今年度中に一般社団法人化するべく、各種調整を進めていく計画だ。
 また、第2期では目指すべき魅力ある業界像を定義し、業界統一で目指せる中期目標を設定することを検討するほか、「政策要望委員会」、「業務効率化検討委員会」、そして「カスハラガイドライン検討委員会」という3つの専門委員会を設置し、内部の議論を深め、政策活動に落とし込んでいくことを目指す。
 さらに、地方の実態把握を進めるべく、地域別・空港別などの幹事会を開催する。トライアル的に成田・関空で幹事会を開催し、内部議論の充実を図り、政策活動の充実に繋げていきたい考え。

 

 人数回復進むも高離職率課題に
 採用に対する離職率65%

 

 パンデミックの発生で多くの人材が離れてしまったグランドハンドリング業界。コロナが収束し、航空業界は回復から再び成長路線へと転換してきたなか、グランドハンドリングの人手不足が足枷となり、回復・成長が思うように進まないことが大きな懸念材料となった。

 

※写真=協会の第2期がスタート。人数ベースで回復が進んだが高い離職率など問題はまだまだ山積みだ

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