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有人与圧ローバ、キー技術のフロントローディング中
昨年度下期概念設計、走行システムは機能試験開始へ
米国が主導する「アルテミス計画」の一環として、月面を走行する有人与圧ローバの開発を進めている宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、キー技術に関する開発のフロントローディングを実施している最中だとし、全体システムについて昨年度下期から概念設計を開始し、各サブシステムや構成機器の仕様検討を行っていることを明かした。さらに、排熱および環境制御などの要素試作試験を通じて、実現性を確認しているとした。
また、高エネルギー密度電池については、有人与圧ローバへの搭載・運用を想定した再生型燃料電池システムの概念設計を進めていることに言及。走行システムも、昨年度、試作機の製作を完了し、今年度からいよいよ走行機能試験をスタートする予定にあることを明らかにした。
日本初の独立型有人宇宙機に
「居住」と「移動」兼ね備えた高難度技術
日本として初の独立型有人宇宙機となる有人与圧ローバ。その開発にあたっては、国際宇宙ステーション(ISS)取り付け型の「きぼう」と異なり、電力・排熱・通信・環境制御などといった各種機能の自立性を確保することのほか、月面走行機能、越夜など難易度が高い技術が要求されることになる。
※画像=2031年に打ち上げ予定の有人与圧ローバはアルテミス計画の鍵(提供:JAXA)
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