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IATA10月貨物実績、FTKは前年同月比3.1%拡大
ジュニアックCEO、「年末に向けて慎重ながら楽観視も」
国際航空運送協会(IATA)が12月5日に発表した、10月の世界航空貨物市場実績によれば、需要を示すFTKの伸び率が、前年同月比3.1%拡大したことが明らかになった。前月の9月は対前年同月比2.5%増と、過去29ヵ月のなかでも最低水準の成長で、成長の勢いが再び増してきた感がある。一方、貨物スペースの供給量を表すAFTKは5.4%増加しており、依然として力強い成長。IATAによれば、8ヵ月連続でAFTKの伸びが、需要の伸びを上回る結果となったという。
こうしたなかIATAは、国際的な電子商取引の成長と世界的な投資サイクルの回復が、世界の航空貨物の成長を支えているとしながらも、一方で需要の拡大の前には引き続き、悪影響があると分析。10月は全ての主要輸出国で輸出が縮小したほか、アジアおよび欧州におけるサプライヤーの納期の延長、さらには2018年初頭にみられた力強い消費者信頼感が弱くなっていることなどに触れた。
IATAのアレクサンドル・ドゥ・ジュニアック最高経営責任者(CEO)は「貨物は厳しい事業」としながらも、「2018年末に近づくにつれて慎重に楽観的に対応することができる」とコメント。「貿易緊張にもかかわらず、緩やかだが着実な成長が続く」などとの見方を示した。