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NAA決算、旅客回復で増収、4期ぶり黒字化達成
長かったコロナから脱却、今後人材確保に注力
成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は5月30日の会見で、2024年3月期連結決算(2023年4月1日~2024年3月31日)について、営業収益が前期比65.2%増の2169億円になり、営業費用が25%増の2039億円、営業利益が129億円(前期317億円赤字)、経常利益が106億円(482億円赤字)、当期純利益が100億円(502億円赤字)になったと発表した。好調なインバウンドと、新型コロナの5類移行によって、国際・国内線とも発着数・旅客数が大幅に伸びて3期連続で増収。4期ぶりの黒字計上となった。
23年度の空港取扱量を見ると、国際線の旅客数が前年度比102.2%増の2744万人で、発着数が34.4%増の16.8万回となった。国内線では旅客数が12.3%増の781万人、発着数が2.4%減の5.1万回。国際航空貨物は16%減の184万トンだった。田村社長は、旅客数が著しく伸びたことで「長かったコロナ禍から脱却して、黒字化に成功した」と評価した。利益を出せたのは、継続して「コストマネジメントの徹底に努めたため」だとして、今後も引き続き徹底しながら、空港運営の世界的な課題となっている人材確保に対応しつつ、3本目滑走路の整備などによる「さらなる機能強化」を着実に推進していくとした。
※この記事の概要
・次期見通し増収増益、中国の旅行再開通期化
中計の目標見直し、旅客増も発着減へ
・旅客回復で空港運営事業の収益903億円
リテールの収益952億円、円安進行も影響 など