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2018.12.10

ウイングトラベル

「Trip.com」、販売業者10社で「空販売」疑惑

全予約を精査中、部屋未確保なら賠償を提案

 シートリップグループ傘下の「Trip.com(トリップドットコム)」が満室の宿泊施設を空室表示で「空販売」していた問題で、「Trip.com Japan」は12月10日、これまでの調査結果等を踏まえた対応方針などを改めて公表した。それによると、「Trip.com」は宿泊施設からの直接仕入れと販売業者が扱う宿泊プランの両方を販売するプラットフォームのビジネスモデルだとし、「空販売」の疑惑が見つかったのは販売業者10社だと説明。10社経由の予約件数は計403件あり、うち8割は部屋の確保を確認済みで、残る2割についても12月12日までに確認し、問題がある場合には賠償を提案するとした。また、高額なキャンセル料については、販売業者から提供される宿泊プランのキャンセルポリシーをそのまま掲載しているとして、「今後はキャンセルポリシーの機能を細かく設定できるよう充実させ、販売業者により正確なキャンセルポリシーを提供するように求めていく」としている。
 この問題は、「Trip.com」が宿泊施設の許可なく消費者から勝手に宿泊施設の予約を受け付け、在庫がないにも関わらず在庫があるように見せかけて「空販売」を行っていたほか、予約の受付と同時に消費者からキャンセルができない形で宿泊代金を収受し、キャンセル料を一律100%課していたなどの疑いがあり、各種メディアで大きく取り上げられるなど社会問題化している。
 こうした事態を受け、「Trip.com Japan」は12月6日、7日に相次いでコメントを発表し、「空販売」は一部の悪質な販売業者によるもので、キャンセル料は予約時に顧客から預かるデポジットなどと反論していたが、12月10日に改めて、これまでの調査結果などを踏まえて対応方針を公表した。
 それによると、空室がないにも関わらず「オンリクエスト」や「残り1室」などと表示し「空販売」していた問題については、同社が契約を結ぶ販売業者を調査したところ、販売業者10社で疑惑が見つかり、販売停止の処置を実施した。現在は、サイト上に表示されている宿泊プランに問題がないことが確認されているという。
 疑惑のある販売業者10社経由の予約件数は計403件で、全ての予約を精査しており、12月7日18時時点で80%の予約は部屋の予約が問題なく確保されていたことを確認した。残る20%についても確認作業を進めており、12月12日までを期限に改めて状況を報告するとしている。

 

 プラットフォーム型事業、契約条件は業者次第
 販売業者に正確なキャンセルポリシー提供求める

 

「Trip.com」の見解URL

 

※写真=「Trip.com」に12月10日付で掲載された「当サイトにおける疑惑の見つかった販売業者に関して」とするコメント