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2024.06.14

WING

三菱電機、マグネシウム合金の積層造形に成功

 ワイヤーレーザーDED方式、熊大・東邦金属・JAXAと協力

 三菱電機、熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(熊本大MRC)、東邦金属、そして宇宙航空研究開発機構(JAXA)の4者が、ワイヤーレーザーDED方式によるマグネシウム合金の高精度な積層造形技術を確立することに成功した。これは金属3Dプリンター業界で初めて。ロケットや航空機、さらにはEV化が進む自動車など、軽量化を求める多分野へ応用展開することが期待できそうだ。
 4者はロケットの軽量化による抜本的な低コスト化に向けて、JAXAの「革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラム」の枠組みの下、去る2022年9月からマグネシウム合金ワイヤーを材料に用いたワイヤーレーザーDED方式積層造形技術の研究を進めてきていた。
 自動車のEV化の進展や民間航空機の需要拡大などに伴い、ロケット以外の各種産業分野においても軽量化のニーズが高まっており、マグネシウム合金が注目されている。一方で、マグネシウム合金はダイカスト法と呼ばれる鋳造での加工が一般的であるため、内部に空洞を持つような造形が不可能という課題があった。
 また、複雑な形状を高精度に加工できる金属3Dプリンターでは、金属の粉末を熱で溶融させて積層造形するPBF方式が主流だが、燃焼しやすいマグネシウム合金を粉末材料として用いた場合、酸化による劣化や粉塵爆発を引き起こす可能性があり、安全に運用できないことが課題だった。