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2024.07.01

WING

羽田国内線枠回収・再配分、「現状維持」で着地

 23年度~29年度を新たな評価期間に設定

 国土交通省の「羽田発着枠配分基準検討小委員会」(委員長=竹内健蔵:東京女子大学現代教養学部国際社会学科教授)の4回目の会合が6月26日に開かれた。この会合でまとまった報告書によれば、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、回収・再配分による発着枠配分の見直しは「行わない」とし、現状維持とすることが決定。その上で、2023年度~2027年度(令和5~令和9年度)を新たな評価期間に設定することを決めた。
 ドル箱路線の羽田空港の国内線発着枠。混雑空港である羽田空港は過去5年分の枠の使用状況や各社の取り組みなどを評価して、回収・再配分することになっている。この枠の増減は航空会社の経営に直接的かつ大きな影響をおよぼすことから、航空会社は一喜一憂するものといえるだろう。言わずもがな航空会社にとって喉から手が出るほど欲しい発着枠だ。
 今回の検討委員会では、議題の大きな一つがそもそもコロナ期間を評価対象として回収・再配分を行うかという点から議論した。スカイマークが対象期間として今回も回収・再配分を行うべきことを主張。一方で多くの航空会社は評価対象とせず、回収・再配分の先送りを求めた一幕もあったが、結果として、「現状維持」の方向で着地した。
 仮に前回の回収・再配分の時と同じように今回も評価を実施されていれば、その対象期間は2019年~2023年度の5カ年間が対象。検討委員会としては、多くの期間がコロナ禍の影響を強く受け、公平・公正な評価を行うことは困難と判断したかたちだ。