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2024.07.01

WING

ANA・JALグループ、「カスハラ」対策で共同方針

「毅然と行動、組織的に対応」で人財守る姿勢明確に

 ANAグループとJALグループは6月28日、「カスタマーハラスメントに対する方針」を共同で策定したことを発表した。暴言や暴行など、従業員の人権および就業環境を害する行為に対しては、「毅然と行動し、組織的に対応する」とした。これまでも暴力行為などについては警察への通報も含めた対応を講じてきたが、引き続き、警察への通報を含め、悪質な言動・犯罪行為に対しては、しかるべき機関に相談の上、厳正に対処することを明確化した。
 過度な要求や暴言、長時間拘束、暴力など、悪質な客によるカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」は昨今、大きな社会問題となっている。航空業界においても長年の課題として個社で対策が施されてきたが、2022年2月に厚生労働省が「カスタマーハラスメント対策起業マニュアル」を発行したことを機に、世の中の「カスハラ」に対する認知度が高まり、航空業界としても深度を深めて一丸となって対策を強化する。
 同日、記者会見に臨んだ両社グループは「従業員が安心して働くことができる職場を整え、同時に、お客様の快適性を守る」ことを強調。「何よりもまずはカスタマーハラスメントに発展させないことが重要。そのために、お客様にご迷惑をおかけすることがないよう、サービス品質の維持向上にたゆまぬ努力を続ける」とするなど、「カスハラ」防止には利用者や社会の理解も不可欠だとして、安全安心な空の旅を提供し続けるためにも、広く協力を呼び掛けた。

※この記事の概要
・各グループ年300件は氷山の一角
・カスハラ定義づけと該当行為例を明示  など