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2018.12.14

WING

日米迎撃ミサイル発射成功

数千カイリ離れた標的に命中

 既報のように、米ミサイル防衛庁(MDA)は12月10日(現地時間)、日米共同開発したスタンダードミサイル-3ブロックIIA(SM-3 IIA)迎撃ミサイルを、初めて陸上配備型イージスシステム(イージス・アショア)から発射し、数千カイリ離れた太平洋上のC-17輸送機から空中発射された中距離弾道ミサイル(MRBM)標的を迎撃することに成功した。標的情報は遠隔地に設置されたAN/TPY-2レーダー(Xバンドレーダー)が追尾して把握し、ハワイのイージス・アショアに情報を伝達、これに基づいてSM-3 IIAが発射され、迎撃に成功したもの。防衛装備庁も11日(日本時間)に米ミサイル防衛庁から迎撃試験成功の連絡を受けた旨を発表した。
 SM-3 IIAの発射試験はこれまでは、ハワイから発射されたMRBM標的を、ハワイ近海のイージス艦から迎撃する試験が行われてきた。今回の試験をMDAでは第3回統合化発射試験(FTI-03)と呼んでいる。迎撃ミサイル実弾を使用し、遠隔センサ情報を使用したより複雑で現実的な条件での試験に成功しただけに、SM-3 IIAのメーカーであるレイセオン社では「3つの偉業」と喜んでいる。

 

※写真1=イージス・アショアからのSM-3ミサイルの発射(提供:米ミサイル防衛庁)

 

※写真2=JA2018に展示されたSM-3 IBミサイルの模型。これより更に太くなるSM-3 IIAは正にロケットのようだ