ウイングトラベル
★世界の航空旅客需要、6月は前年比9.1%増加
国際線12.3%増、国内線も4.3%増と際内とも好調
国際航空運送協会(IATA)が、今年6月の世界旅客需要のデータをまとめた。それによれば旅客需要(RPK)は2023年6月に比べて9.1%増加し、座席供給量を表すASKも8.5%上昇。座席利用率は0.5ポイント増加した85%となった。
このうち国際線のRPKは前年同月比12.3%増加し、ASKも12.7%拡大、座席利用率は0.3ポイント増えた85.0%に達するなど、需給ともに好調だった。一方、国内線RPKは4.3%増、ASKは2.1%増、座席利用率は1.7ポイント増えた85.0%と堅調に推移した。
IATAのウィリー・ウォルシュCEOは「北半球の夏の旅行シーズンのピークが6月に始まったため、需要は全地域で増加した」ことに触れつつ、「全体的な供給量の伸びが需要の伸びを下回ったため、国内線・国際線ともに85%という非常に高い平均搭乗率を達成した」と分析した。
その上で「このような高い搭乗率で運航することは、良いことでもあり、困難なことでもある」とコメント。「遅延を最小限に抑え、旅客を予定通りに目的地へ送客するために、すべての関係者が等しく効率的な運航を行うことがより重要になっている」と述べた。
また、開催中のパリ五輪に触れ、「多くの選手、ファン、関係者を結びつけ、オリンピックのストーリーを支えるという航空業界の継続的な役割に、航空業界全体が誇りを持っている」とコメント。「航空が我々の非常に大きな世界をいかにグローバルな共同体へと変えていくかを思い起こさせるもの。フランスがオリンピック開催国として成功することを祈るとともに、これから数週間にわたって人間の努力の粋を披露するすべての選手たちに声援を送る」と述べた。
◆6月の国際線・国内線の旅客市場データ
・アフリカ=RPK:+16.2%、ASK:+5.8%、PLF:77.1%(+6.9ポ)
・アジア太平洋=RPK:+12.5%、ASK:+9.4%、PLF:82.9%(+2.3ポ)
・欧州=RPK:+8.1%、ASK:+8.4%、PLF:87.7%(-0.2ポ)
・ラテンアメリカ=RPK:+9.1%、ASK:+7.3%、PLF:84.2%(+1.4ポ)
・中東=RPK:+9.9%、ASK:+9.5%、PLF:79.5%(+0.3ポ)
・北米=RPK:+5.4%、ASK:+7.3%、PLF:87.6%(-1.6ポ)
◆6月の国際線旅客市場データ
・アフリカ=RPK:+16.9%、ASK:+5.8%、PLF:77.0%(+7.4ポ)
・アジア太平洋=RPK:+22.6%、ASK:+22.9%、PLF:83%(-0.2ポ)
・欧州=RPK:+9.1%、ASK:+9.8%、PLF:87.4%(-0.6ポ)
・ラテンアメリカ=RPK:+15.3%、ASK:+15.6%、PLF:85.1%(-0.2ポ)
・中東=RPK:+9.6%、ASK:+9.4%、PLF:79.7%(+0.1ポ)
・北米=RPK:+6.6%、ASK:+8.6%、PLF:88.7%(-1.6ポ)
◆6月の主な国内線旅客市場データ
・豪州=RPK:-1.0%、ASK:-1.2%、PLF:81%(+0.2ポ)
・ブラジル=RPK:+7.6%、ASK:+3.2%、PLF:82.3%(+3.4ポ)
・中国=RPK:+5.5%、ASK:-2.0%、PLF:83%(+5.9ポ)
・インド=RPK:+5.2%、ASK:+9.6%、PLF:87.1%(-3.6ポ)
・日本=RPK:-0.2%、ASK:-0.2%、PLF:73.1%(-0.1ポ)
・米国=RPK:+5.1%、ASK:+7.1%、PLF:86.8%(-1.7ポ)
※写真=6月の旅客需要は好調。とくに国際線は前年比12%以上拡大した