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日本空港ビル第1四半期、国際線好調で増収増益
インバウンド拡大で国際旅客3割増、売上42%増に
日本空港ビルデングは8月7日、2025年3月期第1四半期(2024年4月1日~6月30日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比42%増の653億3700万円になり、営業利益が97.9%増の109億2600万円、経常利益が113.6%増の107億1200万円、四半期純利益が73.5%増の61億3100万円と、増収増益になった。
羽田空港では、国際線で訪日外国人旅客数が大幅増となって、インバウンド消費が拡大。今年3月末の夏ダイヤから増便・復便が相次ぎ、前年のGW前まで行われていた水際対策の反動もあって、旅客数が前年を約3割上回り、売上が増加した。それに伴って大幅な増益となった。
※写真=日本空港ビルの第1四半期は、好調な国際線で大幅な増収増益になった
予想上回る回復、業績予想を上方修正
売上2645億円、経常利益310億円へ
この増収増益を受けて、2025年3月期連結決算予想の上方修正を行った。売上高が今年5月の予想よりも4.2%増の2645億円、営業利益が23.2%増の334億円、経常利益が27.6%増の310億円、当期純利益が21.9%増の189億円とした。国際線旅客が予想を上回ったことによって、施設利用料収入等も想定以上となり、外国為替市場で円安が進行したこともあって、商品売上高の国際線売店売上が予想を大きく上回ったためだとした。
また、足元でも航空旅客数・商品売上高とも第1四半期と同様の傾向が続いており、第2四半期(7~9月)としても予想を上回る見込みとして、第2四半期(4月1日~9月30日)の連結業績予想としても売上高が8.6%増の1350億円、営業利益が40.9%増の217億円、経常利益が47.2%増の209億円、中間純利益が39.1%増の121億円と予想を改めた。
国際線旅客急増で施設管理、物品販売が好調
第1四半期業績をセグメント別にみると、施設管理運営業では売上高が前年同期比19.8%増の254億9000万円、営業利益が27.4%増の52億8700万円となった。家賃収入では歩合賃料収入の増加などで4.9%増の50億8100万円だった。施設利用料収入としては国内線の旅客取扱施設利用料収入(PSFC)が減少したものの、国際線PSFC収入が増加して20.4%増の140億8600万円となった。その他の収入では、直営外貨両替所、ラウンジ、館内広告などが好調で37.9%増の55億2200万円だった。費用面では、旅客数の増加や物価上昇に伴う業務委託費などのターミナル維持管理コストや、賃借料などが増加した。
物品販売業では、売上高が65.1%増の371億8400万円、営業利益が116.5%増の80億3400万円となった。国内線売店売上は国内線旅客数が前期を下回ったが、昨年12月に羽田産直館がオープンして店舗数が増加したことや、催事展開・MD変更などの施策効果で購買客数・単価が増加し、6.4%増の32億700万円となった。国際線売店売上は、羽田や成田などでの国際旅客増加と、免税売店の購買客数・単価の上昇によって、前年を大きく上回った。羽田空港免税売店では、円安の影響と回復が遅れていた中国人旅客数が大きく増加したことで、購買単価が2割以上向上した。また、店舗営業時間の正常化などで購買客数が旅客数の増加率を上回り、売上が82.3%増の247億3900万円となった。その他の売上では、他空港の国際旅客の増加で卸売上が伸びたため、56.9%増の88億2100万円となった。
飲食業の売上高は20.6%増の40億9500万円、営業利益が3100万円(前期1億3100万円赤字)となった。飲食店舗売上は前年まで休業や時短営業をしていた飲食店舗が正常化したことなどによって19.7%増の19億8100万円となった。機内食売上は、羽田・成田の外国航空会社の旅客数増加によって22.5%増の16億400万円になった。またその他の売上は6.9%増の2億9300万円だった。
純資産1702億円、自己資本比率37.1%に
財政状態については、流動資産が前期末比22億8200万円増の1230億3800万円となった。固定資産は減価償却により44億3500万円減の3352億3100万円となった。そのため総資産は21億5300万円減の4582億7000万円となった。
負債の合計は未払法人税等の支払いのため63億5800万円減の2880億2800万円となった。
純資産は四半期純利益が増加したことで42億500万円増の1702億4200万円となった。
そのため自己資本比率は0.6ポイント上昇の37.1%となった。