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2018.12.18

WING

JAXA、多数の小惑星で含水鉱物発見

C型小惑星17天体で含水鉱物検出

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームが12月17日、世界で初めて小惑星から含水鉱物を検出したことを発表した。これはJAXAの赤外線天文衛星「あかり」による観測で明らかになったもの。地上の天文台からは観測することができない波長2.7マイクロメートル付近にある含水鉱物の存在を示す特徴を、数多くの小惑星で検出することに成功したという。
 含水鉱物の存在は、将来の宇宙開発における重要な要素。含水鉱物から水を抽出して、例えば液体酸素や液体水素などの燃料を獲得することができる可能性があるほか、有人宇宙開発で人類が宇宙に居住する上で、不可欠な水を確保することなどができる。
 JAXAは今回の発見で、「はやぶさ2」が到達した小惑星「リュウグウ」と同じC型小惑星の進化の過程を明らかにしたとしており、太陽系の水の分布や小惑星の起源と進化だけでなく、地球の水や生命の起源への理解も進むと期待されるとしている。

 

※グラフ=「あかり」で得られた小惑星の近赤外線反射スペクトル。波長2.7マイクロメートル付近(緑矢印の位置)に含水鉱物に起因する吸収の特徴が見られる。また、波長3.1マイクロメートル付近(青矢印の位置)には、氷やアンモニア化物など他の物質の存在の特徴が見られる(提供:JAXA)