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2024.08.30

ウイングトラベル

★イタリア、芸術や冬旅の魅力を日本で訴求

 ENITが都内で旅行業界向けセミナー

 

 ENIT SPA(旧イタリア政府観光局)は8月28日に東京国際クルーズターミナルで開催されている「Villagio Italia(イタリア村)」の会場で旅行会社やメディア関係者を集めたセミナーを開催した。今回のセミナーでは足元のイタリア環境を取り巻く状況について紹介したほか、注目の素材としてユネスコの世界無形文化遺産に登録されたオペラや新たに世界遺産となったアッピア街道の観光素材について紹介した。さらに2026年に開催されるミラノ・コルディナ冬期五輪にあわせて冬の旅に関する魅力をアピールした。

 

 駐日イタリア大使「多彩な観光素材提案」
 ANAのミラノ線就航で一層の交流活性化に期待

 

 今回のイタリア村イベントはイタリア海軍の練習帆船「アメリゴ・ヴェスプッチ号」の日本への来航にあわせて行われたもの。ENITのセミナーに先駆けて、駐日イタリア大使館のジャンルイジ・ベネデッティ大使があいさつに立った。ベネデッティ大使は「コロナ禍を経てイタリアではツーリズム・ルネサンスが起きており、観光関連の新たなコンテンツが登場していたり、ホスピタリティも向上している」とアピールするとともに「今回のアメリゴ・ヴェスプッチ号の来航はイタリアへの関心を呼び起こす大きな効果をもたらすことになるだろう」と強調した。
 さらに日本とイタリアの交流を取り巻く動きとして12月3日から全日空(ANA)が羽田−ミラノ線を就航することについて触れ、「すでに運航していうITAエアウェイズの羽田−ローマ線とあわせてイタリアへのアクセスが広がることで、さらなる交流の活性化に期待していきたい」と語った。

※写真=セミナー冒頭であいさつした駐日イタリア大使館のジャンルイジ・ベネデッティ大使

※写真=東京国際クルーズターミナルに寄港したイタリア海軍の「アメリゴ・ヴェスプッチ号」

 

 23年の日本人渡航者数、コロナ前の68%水準
 消費額は22年から1.5倍増に

 

 ベネデッティ大使のあいさつに引き続きENITの落合智子日本支局代表がイタリア観光の現状や今後注目のスポットについてプレゼンテーションを行った。
 イタリア銀行がとりまとめた統計によると日本からの渡航者数は26万2000人となり、コロナ禍前の2019年と比較して約68%の水準まで回復してきたと説明した。さらに消費額については69万4000ユーロとなっており、前年からは1.5倍増、19年との比較では約76%の回復率となっていることを紹介した。
 また、旅行のトレンドとしては、コロナ禍においては海に注目が集まっていたが、ここにきて都市観光に対する関心度が復調気配を見せていることを説明した。
 その上で、今後の注目素材として無形文化遺産となり再注目されているイタリアのオペラ体験や、同国60カ所目の世界遺産として登録されたアッピア街道沿いの観光を挙げた。
 さらに2026年のミラノ・コルティナ冬季五輪に向けてイタリアの絶景や温泉とスキーを楽しむ冬のイタリア旅行の魅力を紹介。さらに北部から温暖な南部に移動して、対極の気候を楽しむというのも面白いのではないかとアピールした。

※写真=プレゼンテーションを行うENIT SPAの落合智子日本支局代表