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丸紅エアロ、新中計に沿って更なる成長へ
中川社長、先入観無く新たなビジネス醸成
丸紅エアロスペースの新社長に今年4月、中川聡氏が就任した。中川社長が本紙の取材に応じ、新中期経営 計画を策定したことに言及。「5年後、10年後の在るべき姿を定量・定性の両面から定めた。今年度はその一年目となるが、掲げた目標に向けて着実に前進していきたい」と述べた。
中川社長は「足下の代理店事業の 積み上げだけでは目標には届かない。当社の3営業本部が各領域において新たなビジネス・枠組みを構築していく必要がある」とし、全社横断的な協業も進めながら更なる成長を目指す方針を示した。
前任の上瀧彰社長の後を引き継いだ中川社長は、船舶業界出身という経歴の持ち主。航空業界に携わった経 験はない。丸紅エアロスペースの歴史上、船舶業界出身の社長は初めてのことだ。
中川社長は丸紅エアロスペースの歴史に言及しつつ、「当社には旧大倉商事時代の文化も残っている。その文化を尊重しつつ、一方で丸紅グループとして目指すべき姿との融合も図り、必要に応じて意識改革も行いながら更なる成長を目指していく」と話しつつ、「私自身、航空分野にこれまで携わった経 験がないからこそ、先入観無くフラットな目線で見る事ができる点もあるかと思う。スタッフとオープンに議論する中で、新たな気付きや発想・方向性を 生み出す可能性もあるのでは」と話すなど、新たに策定した新中期経営計画 に対し、全社一丸となって取り組んでいくとした。
中川社長はこれまでの業務経験を振り返り、「国内・海外の客先との前向き、後ろ向き、トラブル案件など様々な経験を通じ、コミュニケーションと相互信 頼の重要性を痛感してきた」としており、「これまで営業で培ってきた知見やスキル、更には台湾現地法人の代表 を務めた経験などを当社の運営面で活かすことができれば」とコメント。数々 の成功、あるいは失敗、修羅場を潜り抜けた経験を活かし、丸紅エアロス ペースを牽引していく構えだ。
※この記事の概要
・JAMS設立で整備能力を手に
機体販売等とのシナジーに期待も
・eVTOL、遊覧向け「HEXA」準備
認知度向上で実装、防衛用途期待も
※写真=年度内にも方向性が明らかとなる「イーグル」。ライセンス国産が視野に(提供:GDELS)
※写真=ピラタスの「PC-7MKX」。空自練習機選定に名乗りを挙げている。写真手前がPC-7MKX(提供:ピラタス)