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NTSB、MAX含む737一部機体でラダーに不具合
コリンズのアクチュエータで組立に誤り、湿気が凍結
米運輸安全委員会は9月26日(米ワシントン現時間)、ボーイングと米連邦航空局(FAA)に対し、737MAXを含む737ファミリーの一部の機体において、ラダー・コントロール・システムが稼働しなくなる可能性があるとして、緊急安全勧告(Urgent Safety Recommendations)を発した。
NTSBによれば、今年2月6日にニューアーク・リバティー国際空港において、ユナイテッド航空の737-8(MAX)のラダーペダルが着陸ロールアウト中に中立位置で「動かなく」なる事象が発生。機長は着陸後、ノーズホイールのステアリング・ティラーで機体の向きを制御した。機体に損傷はなく、乗客155名と乗員6名に怪我はなかった。この件に関する予備報告書は、去る9月12日に公表済みだ。
その後、NTSBの調査官は機体のラダー制御部品のひとつであるラダー・ロールアウト・ガイダンスアクチュエータを、部品の製造元であるコリンズ・エアロスペースでテストした。
ラダー・ロールアウト・ガイダンス・アクチュエータは、一部の次世代737型機(737NG)および737MAXの尾部に取り付けられており、カテゴリーIIIBのアプローチ、着陸、ロールアウト操作時にラダーの動きを制御するように設計されたもの。非精密着陸では使用されないが、アクチュエータはラダーシステムと機械的に係合している。
NTSBがコリンズ・エアロスペースで当該機のアクチュエータと別の機体の同じユニットを低温環境でテストしたところ、アクチュエータの機能が著しく損なわることを確認した。調査官は双方のアクチュエータに湿気の痕跡を発見し、テストは不合格となったという。
※この記事の概要
・NTSB、ボーイングにマニュアル変更を勧告
目一杯力を加えるとコントロール喪失可能性
・FAAに問題アクチュエータ撤去か判断を勧告
撤去なら他国に通知、代替品入手まで撤去義務付けも など