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空の日特別寄稿 開港30周年を迎え、来年の大阪・関西万博に向けて
関西国際空港長 勝谷一則
世界初の完全人工島からなる海上空港として開港した関西国際空港は、本年(2024年)9月4日に開港30周年を迎え、様々な30周年イベントが行われています。
大阪・関西万博の開幕が来年春に迫る中、直近の国際線旅客数は、コロナ禍前を上回るインバウンド需要を背景に、関西国際空港における上期(1-6月)の外国人旅客数が910万人で暦年上期として過去最高(これまでの過去最高は2019年の874万人)を、また7月の外国人旅客数も単月として開港以来過去最高となる167万人を記録しています。
関西国際空港では現在、関西エリアにおける将来の国際線需要の拡大を見据え、第1ターミナルビル(T1)において、国際線キャパシティの拡大とエアサイドエリア(保安検査後のエリア)の充実、旅客体験の向上を目的に、来年春のグランドオープンを目指して大規模リノベーション工事を段階的に進めており、2022年10月の新国内線エリアオープンに続き、昨年(2023年)12月に国際線出発エリアも生まれ変わっています。
また、本年7月15日の関西3空港懇談会において、来年の大阪・関西万博に向けて関西国際空港と神戸空港の発着枠を増やすための新しい飛行経路の導入が合意されました。これにより関西国際空港は1時間あたりの発着枠が45回から60回に増えることになります。来年春の大阪・関西万博開幕にあわせた新しい飛行経路の導入に向けて、関西空港事務所内でも航空管制官の訓練が始まっています。
関西空港事務所においては、東は三重県、西は岡山・高知県までの2府8県にわたり7空港(関西、大阪、神戸、高松、岡山、高知、八尾)を含む空域を一元的に進入管制(ターミナルレーダー管制)しているほか、東は富山県、岐阜県、愛知県から西日本全域の運航援助業務を一元的に担う拠点(関西FAIB(Flight and Airport Information Base))が置かれ、航空機の安全かつ円滑な運航を支援するため、航空管制業務を中心とした航空保安業務を24時間実施しています。今後も航空交通を安心してご利用いただき、人とモノの交流が地域の活性化に貢献できるよう取り組んでまいります。引き続き皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
※写真1=JAL KIX=LAX開設30周年セレモニー。左端から、7代目制服着用の客室乗務員、関西エアポートの新宮執行役員、勝谷空港長、JAL西日本支社長の宮坂常務執行役員、新関西国際空港の新垣取締役副社長、現行11代目制服着用の客室乗務員
※写真2=第1ターミナルビルで大阪・関西万博の開催を盛り上げる
※写真3=開港30周年となる関西国際空港