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三菱電機、防衛装備海外移転を積極展開
海外地域拠点に防衛担当者駐在、実績も拡大
三菱電機の防衛部門では海外展開の拡大に向けて、海外拠点の整備を進めており、ロンドンに欧州拠点、シンガポールのアジア拠点、豪州には子会社の三菱電機オーストラリア社、米国にはワシントンDC駐在とそれぞれに防衛専門の人員を配置して、提案や情報収集に当たっているという。先ごろJA2024防衛セミナーで、三菱電機防衛・宇宙システム事業本部の洗井昌彦副事業本部長(執行役員)がその取り組みを明らかにした。
三菱電機は防衛装備移転で近年、次々に成果を収めている。フィリピン向けの防空レーダー受注に始まり、昨年はオーストラリア国防省とレーザー技術活用の新システムの共同開発契約を獲得、今年に入ってからは米レイセオン社からSPY-6艦載レーダーの構成品受注、F-15搭載レーダーAPG-63の構成品修理請負と相次いでいる。なかでもSPY-6レーダーは海上自衛隊が採用していないにも関わらず、サプライチェーンへの参入に成功したもので、日本の防衛産業の目指す防衛装備海外移転の方向性が証明されたといえるものだ。これらは政府・防衛省の支援はあるものの、三菱電機自身の周到で戦略的なアプローチが奏功したといえるだろう。
※写真=三菱電機が部品を供給することになったレイセオンのSPY-6(提供:レイセオン)
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