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T-7レッドホーク、乗員訓練の新形態プラットフォーム
日米防衛協力の重要ピース、世界で最も先進的パッケージに
航空自衛隊の次期練習機選定に向けて、国内外の各社が火花を散らしている。このなかで最も注目されているアセットの一つが、ボーイングとサーブが共同開発した「T-7Aレッドホーク」だ。
ボーイングは、先ごろ東京ビッグサイトで開催されていた国際航空宇宙展(JA2024)の会場に「T-7Aレッドホーク」のシミュレータを持ち込んで、関係者にアピールするなど、大きな熱の入れよう。今年4月の日米首脳会談では、航空自衛隊のT-4練習機の後継機を、日米共同開発とする方針も示されており、ボーイングの鼻息は荒い。
そうしたなか国際航空宇宙展にあわせて来日したボーイング防衛宇宙・安全保障部門T-7レッドホーク事業開発および戦略担当エグゼクティブ・ディレクターのブライアン・シューベルト氏が取材に応じた。
かつて米空軍に所属し自らてF-15Eを駆り、実戦経験も有するシューベルト氏は、T-7Aレッドホークの機体はもちろん、シミュレータなど地上における訓練を含め、包括的な訓練システムとしての優位性に言及。T-7Aレッドホークによる訓練システムこそが、「現在、世界で提供し得る最も先進的なトレーニングパッケージ」であることを強調した。
その上で「世界の軍用機の訓練体系をより高度化していく流れのなかで、T-7Aレッドホークは新たな形を提示するプラットフォームだ。とくに航空自衛隊が今後のパイロット訓練の新たなかたちを模索していくなかで、T-7Aレッドホークが有効なソリューションになり得るものと考えている」との認識を示しつつ、「日米間で今後の防衛協力を深化していくなかで、T-7Aレッドホークは重要なピースの1つになるだろう」と話すなど、T-7Aレッドホークが強固な日米同盟を下支えする、新たな乗員訓練ソリューションとなっていくとした。
※この記事の概要
・拡張性高いT-7A、第6世代機訓練にも対応
100%デジタルで設計・開発、整備性も折り紙付き
・ライブ環境と仮想環境で効率・効果的訓練
総合的なパイロット訓練時間短縮に寄与 など