WING
内倉空幕長、積極的に自衛官処遇改善へ取組み
改めて勤務内容を評価、国を挙げた検討励みに
内倉浩昭航空幕僚長は10月24日の定例会見で、自衛官の処遇や勤務環境の改善を図る関係閣僚会議が設置されたことを受けて、人員不足の対応策として期待される自衛官の処遇や環境の改善へ積極的に取り組む意欲を見せた。特に自衛官の任務を適正に評価することに意欲を示し「レーダーサイトへ勤務する隊員の手当てなどを見直す」として、過酷な勤務環境にある隊員の手当ての拡充など検討していく考えなどを示した。
今月政府が設置した関係閣僚会議では、自衛官の人手不足問題の解消に向けて、処遇や勤務環境の改善のほか、新たな生涯設計を確立するための方策を打ち出し、来年度の予算案に盛り込む考え。内倉空幕長は、航空自衛隊として若い隊員を拡充するための効果的な方策として処遇の改善などを例に挙げて、隊員の勤務内容を改めて評価することで、手当などの拡充を検討したい考えを示した。
会見で示したレーダーサイトの勤務は、飛来する飛行物体などを探知・追跡するなど、日本の防空体制を維持するためには必要不可欠な存在。施設がレーダーで検知しやすい山頂付近に設置されていることが多く、勤務する隊員たちは官舎を含め人里離れた場所での勤務・生活を余儀なくされる。そのため隊員には特別な手当が付与されるが、これを見直すなど検討することになる。
内倉空幕長は、関係閣僚会議が設置されて国を挙げて議論していくことが「自衛官にとって励みになる」とした。また、ほかにも人手不足解消に向けたアイデアなどを説明した。特に自衛官が自身の母校を訪れて、職業としての選択肢を呼び掛ける取組みに期待感を示した。それが「自衛官の存在が憧れから、なってみたい職業へ変わる」ことになり、自衛官自身も後輩と意見交換することでモチベーションを向上させることも期待できるとした。
また入隊した後にも「入った隊員に続けてもらうため、私たちが直接意見交換し、生の声を真摯に受け止めて改善する」ことで自衛隊離れを阻止したい考え。すでに隊舎の改修や環境の改善など、実際に取組みを進めているとした。
※この記事の概要
・世界中から空軍参謀長級集まったAFFJ
領空侵犯状況など説明、情勢の認識共有
・F-35Bの「かが」発着、「大きな節目」に
洋上でのスクランブルなど柔軟な運用可能に など