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新設計基準準拠した新型多用途ヘリ、レオナルド「AW09」
来春にも型式証明、エアロファシリティーが国内代理店
レオナルドの単発エンジンヘリコプターである「AW09」のモックアップが、先ごろ東京ビッグサイトで開催された国際航空宇宙展(JA2024)に登場した。「AW09」のモックアップが日本国内に登場したのは、これが初めて。
「AW09」は、もともとスイスのコプター社(Kopter※コプターの前身はマレンコ・スイスヘリコプター)が「SH09」として開発を進めていた機体だ。メインローターブレードは5枚装備し、テールローターもシュラウドを採用。低振動かつ低騒音、そして安全性を高めた機体とした。
2014年10月にプロトタイプ機のP1が初飛行を達成し、その後、16年2月にプロトタイプ2号機のP2型が、そして2018年11月にP3が初飛行を達成。2020年2月にコプター社がレオナルドに買収されたことで、「AW09」へとブランディングを変更した。
コプターのブランドの下で進められた機体開発だったが、一から開発するという試みに、型式証明という大きな壁に突き当たり、その開発は苦戦。そこに手を差し伸べたのが、レオナルドだった。
レオナルドの買収で単にブランディングを変更したことに留まらず、搭載エンジンもハネウェルのエンジンから、デュアルFADECを備えたサフラン製「Arriel 2K」タービンエンジンへと変更するなど、レオナルドの意向を随所に採り入れたかたちとなった。こうした結果、コプターの良さを残しつつ、レオナルドの高い技術力などを掛け合わせて生まれ変わった。その「AW09」は、来春にも欧州航空安全庁(EASA)の型式証明を取得することができそうな段階にまで漕ぎ付けている。現在、スイスでは2機の「AW09」が型式証明取得に向けた試験を実施中だ。
その「AW09」の日本国内代理店は、エアロファシリティーが務めている。エアロファシリティーの服部光男常務取締役(航空機事業部長)が本紙の取材に応じて、この「AW09」について、「AW09の強みは最新設計であるということ。すべてが新しい設計基準に準拠している」ことに言及。「例えば燃料タンクは耐衝撃性タンクを標準装備となっている」ことに触れた。
※写真=AW09プロトタイプ(提供:レオナルド)