WING特集
NASA、ロッキードと静粛超音速実証機開発へ
2021年後半に受領、22年後半に飛行開始へ
米連邦航空局(NASA)が、低ソニックブーム設計を適用する静粛超音速機の再開発に向けて大きく動き出した。ロッキード・マーティン・エアロノーティクスとの間で4月2日(現地時間)、低ブーム設計実験機の開発を契約。契約期間は2021年12月31日までで、その契約額は2億4750万ドルにのぼった。
この契約によりロッキード・マーティンは、実験機「Xプレーン」の設計・製造を進める。この実験機は高度5万5000フィートにおいて、時速940マイル(時速約1512キロメートル)で飛行する能力を有する。静粛設計を適用することで、超音速飛行時に発生するソニックブームを抑える計画で、NASAでは自動車のドアを閉める際に発生する、75PLdBほどに低減することを目指す。
NASAによれば、ロッキード・マーティンから2021年後半にも「Xプレーン」を受領する計画で、受領後には超音速技術が設計通りに機能することのほか、米空域システムで安全に運用することができるかを証明する。
その上で、2022年半ばから「Xプレーン」を米国の一部の都市上空で飛行し、各種データを収集する。このデータは、超音速飛行に関する新たな騒音規制を検討する際に、米国および国際規制当局に提供する方針だ。