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ATR、市場縮小でATR42-600S開発中止
主力市場で滑走路延伸・代替空港整備
ATRは11月13日(仏トゥールーズ現地時間)、開発を進めていた短距離離着陸型の「ATR42-600S」の開発を中止する決定を下したことを発表した。
ATRは開発中止の理由について、「広範な市場調査の結果、サプライチェーンの緊張が長引いている状況を考慮し、現在の製品ポートフォリオの競争力をさらに高めることに注力することを決定した」と説明。足下の市況、技術の進歩などを精査したところ、「当初の予測と比較して、この種の機体がターゲットとする市場が縮小していることが明らかになった」とした。
例えばATR42-600Sの主戦場の一つになるとみられていた東南アジア市場では、滑走路延伸工事が進んでいることに加え、近隣の代替空港の建設によって、STOL対応機を必要とする対象空港の数が大幅に減少している事態に直面しているという。
こうした傾向は他の主要なターゲット市場でも同様の動きがみられているとし、相対的に「ATR42-600S」の市場が縮小していると分析した。
※写真=ATR42-600型機の開発が中止に。トキエアの佐渡線開設などに狂いが生じる(提供:シコルスキー)
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