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2024.11.15

WING

JAXA、液体推進剤回転デトネーション飛行実証

 将来的には様々な宇宙機の推進系採用にも期待大
 

 

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月14日、内之浦宇宙空間観測所から観測ロケット「S-520-34号機」を打ち上げた。このロケットは「液体推進剤回転デトネーションエンジンシステム飛行実証実験」を目的としたもの。ロケットは正常に飛翔し、内之浦南東海上に落下した。ロケットの最高到達高度は217km、着水時刻は打ち上げ後459秒だった。
 「デトネーションエンジンシステム」は、燃料と酸化剤の混合ガスの爆発反応で生じる爆轟(ばくごう)という、秒速2kmもの速度で伝播する衝撃波を推力に変換するロケットエンジンシステムだ。より高い燃焼器圧力を生成することができることのほか、燃焼器やノズルの長さを短くすることができること、スロートなしの燃焼器、高周波数振動のみ卓越し設計が容易になるなど、軽量小型のエンジンシステムを構築することが可能となるとみられている。そのため小型で平べったく、薄いエンジンができるとも考えられている。こうした様々な利点を背景に、日本のほかにも欧米、アジアなど、諸外国でも研究開発が進められている。

 

※写真=デトネーションエンジンシステムのブレッドボードモデル(提供:JAXA)

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