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2019.01.15

WING

IBM、新気象予報システムGRAFを発表

乱気流影響の最小化など、今年後半利用可能に

 IBMとその子会社であるザ・ウェザー・カンパニーは、新しい気象予報システム「IBMグローバル高解像度大気予報システム(GRAF)」を発表した。GRAFは毎時更新される商用気象システムで、雷雨のような局地的な事象を世界規模で予測することが可能。既存モデルと比較して、世界中の大部分の予報解像度は約200%改善されるとしている。このシステムの予報を使うことで、例えば航空会社は乱気流による混乱を最小化し、保険会社は豪雨災害発生後の対応に備え、公益企業は停電に備えて保守要員を適切に配置し、農業従事者は気象の急激な変化に先んじて備えることができるようになるとみている。システムは今年後半に利用可能になる予定だ。
 GRAFは、先進的なIBM POWER9プロセッサー搭載のスーパーコンピューター上で稼働し、世界中の何百万ものセンサーからのクラウド・ソース化されたデータ、および飛行中の航空機のデータを使用して、世界各地の局所的な気象を正確に可視化するというもの。
 航空機からのセンサーデータの読み取りなど、これまで利用していなかったデータを加え、欧米や日本などのような特殊な気象機器を持たない世界の多くの地域の課題を解決することに貢献することを目指す。