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2024.11.20

ウイングトラベル

★米運輸省、自動払戻し規則を航空利用者に周知

 キャンセルや変更時の払戻し手続き大幅簡略化

 

 米運輸省(DOT)は、航空利用者に正当な払い戻しを受け取る際の問題を解消するための新規則を10月28日から施行した。この新しい規則により米国内外を発着するフライトで、航空会社の利用者への払い戻しが統一、基準が明確化されたが、米運輸省はこの新規則を航空利用者に周知徹底するための普及を開始した。新規則は航空会社の負担を増加させる一方で、利用者にとって大幅な利便性向上を実現する。
 新ルールでは、初めて「重大なフライト変更」の具体例を定義し、利用者が旅行を中止する選択をした場合に払い戻しを受け取る権利を保障する。また、航空会社がフライトをキャンセルした場合も利用者が予約を続行しない場合には払い戻しが自動的に行われることを規定した。
 従来は、航空会社が払い戻し基準を独自に設定し、恣意的に変更することが可能だった上、利用者が煩雑な手続きで払い戻しを申請する必要があった。
 また、新ルールはフライトキャンセルや重大な変更が発生した際、利用者にその権利を迅速に通知する義務を航空会社に課しており、利用者が適切な情報に基づいて判断を下せる環境を整備した。
 航空利用者は自動払い戻し規則で認められる権利として払い戻しが認められる。
 払い戻しが認められる場合は以下の通り
(1)フライトをキャンセルされ、再予約を行わない、または利用者が代替案(バウチャーやマイルなど)を受け入れない。
(2)フライトがキャンセルされ、再予約を拒否、提案された再予約や代替案を利用者が受け入れない。
(3)フライトスケジュールに「重大な変更」が発生し、利用者が変更後の旅程または代替案を受け入れない。
 この「重大な変更」には以下が含まれる。
(1)国内便の場合は出発が3時間以上早まる、または到着が3時間以上遅れる
(2)国際便の場合は出発が6時間以上早まる、または到着が6時間以上遅れる
(3)発着空港の変更
(4)乗り継ぎ回数の増加
(5)サービスクラスの格下げ
(6)障がい者にとって不便な空港や航空機への変更
(7)荷物の著しい遅延
(8)国内便の場合、到着後12時間以内に荷物が届かない
(9)国際便の場合、フライト時間に応じて15〜30時間以内に未配達
(10)追加サービスが提供されなかった
(11)Wi-Fi、座席指定、機内エンターテインメントなどの追加料金を支払ったサービスが提供されなかった
 再予約を受け入れた場合や重大な変更後の旅程で旅行を続行した場合は、払い戻しの対象外となる。ただし、米国の大半の航空会社は、航空会社の責任で発生した遅延やキャンセルの場合に宿泊施設や食事を提供することを約束している。
 払い戻しは自動的に利用者が申請しなくても、航空会社が自動的に払い戻しを実施する。クレジットカードでの購入の場合、払い戻し義務が発生してから7営業日以内、その他の支払い方法では20暦日以内に払い戻しが行われる。
 現金または元の支払い方法で航空会社は、現金もしくは元の支払い方法(クレジットカードや航空マイルなど)で払い戻しを行う義務がある。
 代わりにバウチャーやクレジットを提供する場合、利用者の明確な同意が必要で、提供された場合は発行日から5年間有効であることが条件とする。
 全額払い戻しは、未使用区間を除いたチケット購入価格の全額が対象。政府や航空会社が課す税金や料金も全額返金される。